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統括施設長ブログ・ひこぶろ

身体拘束をしてはいけない事のそもそも論

2025-05-04
[社会福祉に関すること]
重要
こんにちは、統括施設長の田原です。

先日、久々に行って来ましたシリーズ~として
梅田スカイビルに行って来ました!!

まずは豊中市方面でパシャリ!
アイテラスは…残念ながら見えません( ;∀;)
いつかスカイビルから見えるぐらいの施設を建ててみたいものです。
しかしもう少し右側から撮れば良かったなぁ…
続きまして
以前勤めていた大阪市西淀川区方面をパシャリ!
懐かしいですね~
先端の方に矢倉緑地が見えます。
あそこに行った時に小さなカニがいて妙に興奮したのを覚えています。

空中庭園から1階降りると…
素敵な作品が飾られています。
梅田スカイビルの模型もあったりと。
左が40階の屋内展望フロアに飾ってあり、右が39階のお土産屋さん横に飾られています。
反射で上手く写っていませんね~

しかしこの梅田スカイビル。もう何回も行っているのに何故か時間があれば足が向きます。
コスモタワーも通天閣も同じです。
その割にハルカスには1回しか行った事がなく…
東京スカイツリーでさえ2回行っているというのに…
恐らく10代、20代の頃に行った場所なので青春プレイバック??なのか??

そしてちょうどハルカスが出来た直後にスカイビルに行ったとき
まだ30代前半だった私は店員さんに「ハルカスの影響ありますか?」と何とも失礼な質問を…
しかし店員さんは自信満々に「全くありません!あちらはただの高い建物でしょう。
こちらは造形物ですから。」とハッキリお応えになられました。
※注「ただの高い建物」は私が言った訳じゃないので、いやホント…
スカイビルに対する物凄いプライドを感じました。

ハルカスがどうかは知りませんが、事実スカイビルは造形物として世界中から高い評価を得ています。
まずその造形美。
空中庭園の美しさはもちろん、そこに行くまでの長いエスカレーターはまるで天空へ上る階段のよう。
さらに設計も評価が高く、まず東西2棟のビルを建てて、その後に空中庭園を乗っけるというもの。
施工時の実際の映像や、解説図なども展示してあります。
景色の綺麗さを楽しむのは当然、造形美や設計方法の秀逸さにも注目です。

次はハルカスかなとか思いつつ…それではいつもながら前置きが長くなりましたが、本題です。

介護保険事業所では最早当たり前で今更説明不要な事、それは身体拘束をしてはいけないという事です。

しかし本人、他者の身体・生命に著しい危険が生じているとき(切迫性)
身体拘束を除く他の手段がなく(非代替性)、定められた期間に限り(一時性)
身体拘束をする事が許されています。

これを身体拘束の三原則といいます。

しかしあくまでこれは「やむを得ず」という考えであり、三原則を満たせば
「やっても良い」と変に前向きな考えをもってはいけません。

もし変に前向きな考えをもってしまうと、何でもかんでも三原則にこじつけて
身体拘束をしてしまおうとするでしょう。

これは以前述べた「ゾーニング(隔離)は仕方ないからするもの」という主張と同じです。

そしてその三原則を満たすかどうかは身体拘束廃止・適正化委員会(名称は施設それぞれあるでしょう)という
独立した委員会で決定されるものです。

何人たりともこの委員会以外で身体拘束を許可する事は出来ません。

以前、家族がやってといっているからやって良いという方がいました。

しかしそんな訳ありません。
例え家族であっても人の身柄を拘束する権限などありはしません。

家族が「自分が良いって言っているのだからやってくれ」と要求して来ても
利用者の権利擁護に関する事を説明し、「出来ない」という事を説明する必要があります。

もし三原則に合致しないにも関わらず家族が過度に身体拘束を要求する場合は
サービス提供拒否(契約終了)の正当な事由になるでしょう。

ただ当施設もユニットのドアは施錠してあり、広義の意味では身体拘束と捉える事も出来ます。
この辺りの私の見解は後日別記事(ドアの施錠に関する考察)でアップします。

そもそも身体拘束をしてはいけない理由は何なのか。

平成13年に身体拘束ゼロ作戦が発出されたから、身体拘束ゼロの手引きがあるから、減算対象だから…
こういう意見を言う人もたまにいますが、どれも理由ではなく身体拘束を無くす為の手段です。

良く言われる尊厳の保持、先ほど述べた権利擁護は大きな理由です。
しかしそのような理念で語らなくとも、もっとシンプルな答えがあります。

それは本来、身体拘束は犯罪だからです。

身体拘束という名称のためゾーニング等と同じように感覚が麻痺していますが
人が人の身体を拘束する訳ですから、要は身柄の拘束です。身柄の拘束をされるのは罪を犯した者のみです。

刑罰としてはこれを自由刑といい懲役や禁固、拘留(懲役と禁固は2025年6月1日より「拘禁刑」に一本化)
などがあります。

また刑事罰のみではなく、犯罪を疑われた者や職務質問などで「これ絶対やってるよね?」と
その場で犯罪が疑われた者、 現に犯罪をしている瞬間もしくはそれが激しく疑われる者
も身柄を拘束されます。
(通常逮捕、緊急逮捕、現行犯逮捕、准現行犯逮捕)。

しかしどの場合によっても基本的には身柄の拘束が出来るのは裁判所から許可を得た
警察や検察など一部の者のみです。

罪びとでもない人をまして一般人が勝手に身体拘束すれば逮捕監禁罪などの罪に問われます。

このように考えれば「家族にやってと言われたから」という理由が
身体拘束の正当な理由になるなんて思わないでしょう。

身体拘束を安易に考えていませんか?
認知症の方など記憶力や判断能力に低下がみられる方は犯罪者ではありません。
何故認知症等を発症したからといって身柄を拘束される義務を負わなければならないのか。

身体拘束を安全への配慮という人がいます。確かにその側面はあるでしょう。
しかしその配慮はあらゆる手を尽くしたうえでの最後の最後の配慮、究極のセーフティネットなのです。
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